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遠藤 章
Isotope News, (781), P. 3, 2022/06
日本原子力研究開発機構原子力科学研究所の研究用原子炉JRR-3は、2021年2月に10年ぶりに運転を再開した。その後調整運転を経て、7月から11月まで実験装置や照射設備の利用を行い、2021年の運転を計画通り終了した。この期間、Ir-192, Au-198を製造し治療用に供給するとともに、Mo-99製造に向けた試験照射にも着手した。これは、東日本大震災以降、国内で止まっていた原子炉によるRI製造の再開である。本稿では、JRR-3を利用した医療用RI製造の今後の取り組みについて紹介する。
飯村 秀紀
Isotope News, (746), p.39 - 42, 2016/08
放射線やアイソトープの利用者のために、アイソトープの核データ集にはどのようなものがあるかを紹介する。また、半減期や線放出率などの膨大な実験データからいかにして評価値を決めるか、その方法を解説する。核データ集の利用方法についても説明する。
春山 保幸
企業サポートぐんま, P. 13, 2004/04
線を用いて種々の研究をするための、コバルト60線照射施設の紹介。高崎研究所で使われているコバルト60について、半減期や透過力等の性質,照射施設の各種のインターロック等の安全対策、及び得られた成果の一部について紹介する。
阪間 稔*; 塚田 和明; 浅井 雅人; 市川 進一; 羽場 宏光; 後藤 真一*; 西中 一朗; 永目 諭一郎; 大浦 泰嗣*; 小島 康明*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.34 - 37, 2002/11
中性子欠損アクチノイド核Am並びにCmの壊変特性をガスジェット結合型オンライン同位体分離装置を用いて調べた。これらの核種は、タンデム加速器から得られるLiビームを用いてU,Npターゲットを照射して合成した。この中でAmとCmは新アイソトープとして同定した。また壊変エネルギーと壊変半減期の系統性に基づき、本研究で初めて観測したAm及びAmの壊変遷移に関して考察した。
小林 勝利; 本石 章司; 照沼 久寿男; Rauf, A. A.*; 橋本 和幸
Radiochemistry, 42(6), p.551 - 554, 2000/12
がんの診断・治療用に注目されているRe,Reの供給のため製造技術を開発した。最初に、W(p,n)Re反応による製造法を述べるとともに、主として原子炉によるRe,Reの製造工程(照射、化学分離・精製、放射能測定)、装置及び製品仕様などについて報告する。いずれも安定濃縮同位体であるRe及びWOを照射し、化学分離・精製後の過レニウム酸水溶液及びW/Reジェネレータとして調製した。高価なWOの再利用と廃棄物の放射能低減のため、Re及びWをトレーサに用いた模擬ジェネレータを試作し、アルミナカラムからAlを溶離しないでWのみを脱離する条件を検討した。NHOH及びNaOHを溶離剤とし、それぞれ90%または99%以上のWを回収しWOとして調製後、放射化分析法で純度を確かめた。使用済のW/Reジェネレータについて本法を適用し、ターゲットとして再利用できるこが明らかとなった。
松橋 信平; 久米 民和
放射線化学, (70), p.20 - 25, 2000/09
ポジトロン標識化合物をトレーサーとして用いた植物ポジトロンイメージングについて、ポジトロン放出核種の種類・特徴とその標識化合物を植物研究に用いるメリット、ポジトロンイメージングの計測原理と原研が開発した植物研究用ポジトロンシメージング装置(PETIS)の特徴について解説を加えた。また、Coを用いた光合成産物移行計測を例に、ポジトロン標識化合物の製造方法、得られたポジトロン標識化合物の植物への投与方法などを紹介し、計測により得られた画像例を示すとともに解析手法について説明を加えた。さらに、定量的ポジトロンイメージング計測を行う必要性、定量化への問題点とその解決法について紹介した。
竹本 宏輝; 堀内 昶*; 小野 章*
JAERI-Research 2000-027, 28 Pages, 2000/05
B(ホウ素)アイソトープは中性子数の増加に伴い、クラスター構造が発達すると理論的に予想されているが、まだ、実験的には確認に至っていない。そこで、反対称化分子動力学を用いて、BのHe-Li的なクラスター構造を反映したフラグメント生成機構について調べ、Bのクラスター構造を検証する新しい実験的手法を提案するとともに、そのために必要な実験条件を明らかにした。このBのクラスター構造はHeとLiアイソトープの同時生成として、重イオン反応に反映されるが、その反応機構は入射エネルギー依存する。入射エネルギーが35MeV/nucleon前後のNを標的核とした重イオン反応ではBのクラスター構造はHeとLiアイソトープへの同時崩壊という形で反映され、入射エネルギーが増加するにつれ、このような反応機構は見られなくなる。このような入射エネルギー依存性は、標的核が及ぼす平均場の効果と二核子衝突の効果の競合によって説明できる。基本的には、標的核からの平均場の効果はBをクラスター崩壊される方向に働き、二核子衝突はBのクラスター構造を壊す方向に働く。また、低エネルギー領域では、Bの中性子過剰性のために陽子移行反応を伴った機構が現れるために、Liアイソトープの生成に占めるBのHeとLiアイソトープへのクラスター崩壊の割合は減少する。したがって、これらの結果から、Bのクラスター構造を実験的にHeとLiの同時計測から検証するためには、入射エネルギーが~30MeV/nucleon、標的核は質量数の大きなものを用いるのが、最適な実験条件であるとの結論に達した。
源河 次雄*; 岩本 清吉
非破壊検査, 48(5), p.279 - 282, 1999/05
ラジオアイソトープからの放射能をカロリメータ内で完全に吸収し熱に変換することにより、放射能量を測定することができる。ラジオアイソトープの試料容器としてガラス、金属、プラスチックなど多様な物質を使用できるうえに試料自身も気体、液体、固体の別を問わない。このように試料を破壊せずに密封状態のまま測定できるのが、カロリメータの特長である。この測定法は放射線安全取り扱い上も非常に有利であり、また測定後の試料をそのまま使用したり販売することができる。したがってラジオアイソトープを比較的多量に取り扱う者にとって重要な技術である。これらの特長を有するカロリメータ法について、放射線吸収による微小熱量増加をマイクロカロリメータにより測定し、放射能測定を行う原理、実際への応用例などについて紹介し解説する。
久米 民和
Radioisotopes, 47(3), p.283 - 284, 1998/00
ポジトロン放出核種を用いた植物研究について、原研で進めているポジトロン・イメージング計測を中心にレビューした。ポジトロン・イメージング装置は、検出面積:4850mm、画像分解能:約2mm、ほぼリアルタイムでの計測が可能である。F-水(半減期110分)を用いた実験では、障害を受けた植物での吸収・移行変化を調べ、障害の検討に有効に用いることができる可能性を示した。C(半減期20分)に関しては、CとCの発見と植物への利用の歴史を紹介するとともに、COを用いた光合成産物の根への移行について述べた。N(半減期10分)に関しては、安定同位元素Nとの特徴を比較し、Nの利用の現状を紹介した。また、大学とのプロジェクト共同研究で進めているC-メチオニンやNOを用いた研究例の紹介も含めた。
永目 諭一郎
Isotope News, (522), p.16 - 17, 1997/11
原子核の性質のみならず、恒星内での元素合成過程や、放射性二次ビームの利用などの観点から、近年不安定な中性子過剰核が注目されている。ここでは、最近アクチノイドの核分裂を利用して未知の中性子過剰核を合成した原研核化学グループの成果ならびに、ドイツ重イオン研究所で行われたユニークな実験装置による新アイソトープ確認実験について解説する。
石川 勇
Radioisotopes, 46(8), p.567 - 572, 1997/08
ラジオアイソトープ中性子源を利用するラジオグラフィ技術について、概要と国内における研究及び利用状況と諸外国の状況について紹介した。国内の状況では、原研が昭和50年度から進め、基礎的な実験結果を踏まえて1mgのCf中性子源を装備した中性子ラジオグラフィ装置へ至るまでの経緯とそれにより得られた研究成果について述べた。国外の状況については、利用が盛んなアメリカの状況を紹介するとともに将来の予測についても若干言及した。
放射線高度利用センター
JAERI-Review 96-017, 277 Pages, 1997/01
本年次報告は、高崎研究所イオン照射研究施設(TIARA)で、1995年4月から1996年3月までの間に実施された研究活動をまとめたものである。1)宇宙用半導体、2)バイオテクノロジー、3)放射線化学及び有機材料、4)無機材料、5)材料解析、6)核化学及びラジオアイソトープ製造、7)加速器施設の放射線遮蔽、8)加速器技術の8部門にわたる84編の研究報告と、施設の運転・利用状況、公表された文献、企業・大学との研究協力関係、研究開発・施設運営組織を収録する。
浅井 雅人*; 塚田 和明; 市川 進一; 長 明彦; 小島 康明*; 柴田 理尋*; 山本 洋*; 河出 清*; 篠原 伸夫; 永目 諭一郎; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 65(5), p.1135 - 1138, 1996/05
被引用回数:13 パーセンタイル:67.84(Physics, Multidisciplinary)新たに開発したガスジェット結合型オンライン質量分離器(JAERI-ISOL)を用いて、Uの16MeV陽子誘起核分裂で生成する中性子過剰の新アイソトープTbの分離・検出を行った。分離した質量数166及び182において、DyのX線および娘核種Dyの励起レベルにあてはまる線が線と同時計測されたことなどからTbの検出を確認した。特に質量数182(TbO)の測定では妨害核種の影響がほとんどなく10本の線エネルギーおよび相対強度を求めることができた。また、線およびX線の減衰からTbの半減期が216秒であることを求めた。この値はいくつか報告されている理論的予想値の1/7~1/3であり、そのQ値が5.1MeV以上であると推測できる。またTbのとりうる基底状態のスピンについて議論するとともに、Tbの壊変様式を検討した。
源河 次雄
応用熱分析; 高分子・医薬・電子材料など100種の測定データ解説集, 0, p.206 - 207, 1996/00
現在知られている同位元素は、約1600種あるが、そのうち安定同位元素は約300種、その他は全て放射性同位元素である。放射能測定用として用いられる伝導熱量計では、試料から一定の割合で発生し続ける熱を感熱素子を介してヒートシンクに流し、発生熱と流出熱が平衡に達した状態を読みとる。熱測定による放射能測定について、トリチウム製造用合金ターゲット測定法を例として、工業高校卒業者に理解できる程度の内容で記述する。
源河 次雄
Radioisotopes, 45(1), p.63 - 64, 1996/00
Radioisotopes誌に掲載するためのミニレビューとして執筆した。放射能測定用カロリメータとしていろいろな動作原理のものがあるが、原研では、双子熱伝導型マイクロカロリメータを、米国NISTでは、ペルチェ効果マイクロカロリメータが使われている。しかし、中規模の放射能量を測定し、研究結果を論文にしている研究所は多くないので、原研における成果の紹介が大部分を占めるレビューとなった。とりあげた測定例は、トリチウム、P、Gd、Ir等でそれぞれ放出エネルギーを如何にカロリメータ内でロスなく吸収させるかがポイントとなる技術の紹介となった。
放射線高度利用センター
JAERI-Review 95-019, 265 Pages, 1995/10
本年次報告は、高崎研究所イオン照射研究施設(TIARA)で、1994年4月から1995年3月までの間に実施された研究活動をまとめたものである。1)宇宙用半導体、2)バイオテクノロジー、3)放射線化学、4)有機材料、5)無機材料、6)材料解析、7)核化学およびラジオアイソトープ製造、8)加速器施設の放射線遮蔽、9)加速器技術の9部門にわたる86編の研究報告と、施設の運転・利用状況、公表された文献、企業・大学との研究協力関係、研究開発・施設運営組織を収録する。
放射線高度利用センター
JAERI-Review 94-005, 252 Pages, 1994/11
本年次報告は、高崎研究所イオン照射研究施設(TIARA)で、1993年4月から1994年3月までの間に実施された研究活動をまとめたものである。1)宇宙用半導体、2)バイオテクノロジー、3)放射線化学、4)有機材料、5)無機材料、6)材料解析、7)核化学およびラジオアイソトープ製造、8)加速器遮蔽、9)加速器技術の9部門にわたる81編の研究報告と、施設の運転・利用状況、公表された文献、企業・大学との研究協力関係、研究開発・施設運営組織を収録する。
畑 健太郎; 照沼 久寿男
JAERI-M 94-012, 37 Pages, 1994/02
日本原子力研究所アイソトープ部においてこれまでに開発されてきたラジオアイソトープ(RI)の製造に関する情報を集大成することを目的としてRI製造データベースの開発を企画した。先づ現存する情報の種類と形態について整理したあと、ありうべきRIデータベースの構造を検討し、それを実現するためのプロトタイプデータベースISOPを作成した。本報では、RIデータベースについて検討した事項およびそれに基づいて試作されたプロトタイプデータベースISOPの構造と使用法について報告する。
放射線高度利用推進室
JAERI-M 93-241, 261 Pages, 1993/12
本年次報告は、原研イオン照射研究施設で、1992年4月1日から1993年3月31日までの間に行われた研究活動をまとめたものである。1)宇宙用半導体、2)バイオテクノロジー、3)放射線化学、4)有機材料、5)無機材料、6)材料解析、7)核化学およびラジオアイソトープ製造、8)加速器技術、9)施設建屋および安全系統の9部門にわたる60編の研究報告に加えて、施設の運転・利用状況、公表された文献、企業・大学等との研究協力関係、研究開発・施設運営組織を収録する。
柴部 禎巳
生物・医学領域における最新オートラジオグラフィの手技とその応用, p.11 - 13, 1993/11
オートラジオグラフィによく使用される核種の物理定数などの解説と使用にあたっての実験上、放射線管理上の注意すべき問題点の説明をした。